一人当たりGDPの没落、所得格差、そして「アニマル・スピリット」の喪失。
日本経済が停滞し、世界と比較して相対的に没落していることは、誰もが実感しているはずです。実際、日本の一人当たりGDPの世界ランキングは、2001年の世界2位から、現在30位以下にまで急落しました。かつてルクセンブルクを除けば世界一を誇った国が、いまやG7最下位の「普通の国」になってしまったのです。
所得分布を見ても、所得400万円未満の低所得層の比率は1995年当時と比べて大幅に増加しており、日本は30年前より確実に貧しい層が増えています。ネット上で「中国崩壊」「ドイツ崩壊」と叫ぶ言説が溢れていますが、客観的なデータを見れば日本経済のほうがはるかに危機的状況にあります。
尊敬する経済学者・故森嶋通夫先生は『なぜ日本は成功したか』(1984年)に続き、『なぜ日本は没落するか』(1999年)を著しました。先生の予測は見事に的中しましたが、現状はその警告時よりさらに悪化しています。森嶋先生は経済システム以上に「人間」「日本人の劣化」に警鐘を鳴らしていました。
なぜ日本は停滞したのか? 私の暫定的な結論は、「日本人のハングリー精神の低下と知的知的水準の下落」、ケインズの言葉を借りれば「アニマル・スピリットの低下」です。戦後の焼け跡から復興した世代は必死でした。しかし豊かになるにつれ、現状を変革する気概を失い、「その場しのぎで生活できればいい」という保身に陥りました。
同時にこの問題は世界にも波及しています。アメリカにおけるトランプ現象、ヨーロッパの排外主義の台頭など、民主主義や市場経済そのものが揺らいでいます。人生最後の課題として、この大きな問題をブログや動画で追究し続けています。